ライシテ(政教分離政策)によるフランスのスカーフ問題は有名です。
公共の場において、特定の宗教を示すものをこれみよがしに身に着けてはいけない、という原則が立法化されたものがライシテです。
ゆえに、イスラム教徒のスカーフだけを禁止しているわけではないのですが、イスラム教の女性のスカーフやニカブが問題となりがちです。
今、再びフランスではスカーフ問題が取り上げられています。
まず1つは、モードの世界から浮上しました。
Marks & Spencerと Dolce & Gabbanaが、イスラム女性のためのモードのラインを発表しました。H&Mもこの市場への参入の検討をはじめています。
仏女性の権利担当大臣であるLaurence Rossignolは、モード業界がこうしたイスラム教徒のスカーフをはじめとする服を売り始めることをどう思うかを尋ねられ、イスラム教徒のスカーフを選んだ女性をかつては奴隷であった黒人と比較したことで、大きな議論を巻き起こしてしまいました。
そんな折、経済制裁が解除されたことにより、2008年以来行き来のなかったエール・フランスが、再びイランの首都テヘランとパリを結ぶことになりました。
その最初の運行が4月17日になります。
そこで問題になったのが、またスカーフ問題です。
エール・フランスのキャビン・アテンダントがテヘランに寄る時には、ズボン、長いベスト、そしてスカーフを身に着けるようにするという方針を打ち出したのでした。
これに対しても議論が巻き起こっています。
エール・フランス側は、キャビン・アテンダントの自主性に任せるといっていますが、すでに多くのCAが拒否を宣言しているということです。
フランスのフェミニストで哲学者のElisabeth Badinterも、「女性はこれらの商標にボイコットを呼びかけるべきだと思う」と言っています。
アメリカや日本の自由とは異なる自由を定義しているフランス共和国の問題、みなさんはどうお考えになりますか?
「着たい人が好きな服を着ればいい」、という声が聞こえてきそうですね。
しかし、単なる服装の問題、それに派生する<好き/嫌い><快/不快>といった感情の問題ではなく、人権や女性の権利に関する原理原則の問題だという目をもってこの問題を見ると、それほど他人事でいていい問題ではないといえそうです。
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