コストを下げるために多くの企業が海外に生産拠点を移したことで生じた産業空洞化は、多くの経済先進国で国内産業の衰退を招きました。
フランスでは、この動きに対処するため、数年前から“Made in FRANCE”の動きを活発化させています。
最新の調査から、フランス国産"Made in France"の戦略が効果を出し始めたことが明らかになってきました。フランス人消費者心理の変化を中心に動向をお伝えします。
●フランス人消費者心理の変化-"より少なく・より良い消費"
2015年の調査によると、70%のフランス人は、5~10%値段が高くてもフランス製のものを買うと答えています。
この70%という数字は、一朝一夕で出てきたものではありません。
1997年では、値段が高くてもフランス製を買うと答えていたのはたった30%でした。
Made in Franceのペダゴジーが始まった年の2年後、2014年になると高くてもフランス製を買うと答えたフランス人は50%と上昇し始めます。
一般的な傾向としては、フランス人消費者心理は、“より少なく・より良い消費”に消費行動が変化してきています。
こうした傾向が一つの流れとなった原因としては様々なものが考えられますが、一つには、フランス国産を消費するということ、つまり国産国消が、現在世界競争に侵されているセクターでの雇用を確保する一つの手段となるということがあります。
●国内産業の活性化と雇用の確保へ
メイド・イン・フランス連合会の試算によると、一人の消費者がフランス製のものを選んで消費するようになれば、そのセクターの雇用の数が3倍になると言います。
靴を2足買う場合にはそのうち1足をフランス製にする、3着の衣類を買う時にはそのうちの1着はフランス製にする、こうした消費者の選択で、大体55000人~160000人の雇用がフランス国内で保証されるということです。
ある調査によると、2014年のフランス人消費行動を見ると、フランス人が買う衣類の10着のうちの1着はフランス製で、あとの9着は発展途上国で作られた廉価な製品です。
もし、これが2分の1、3分の1の割合でフランス製品が選択されるようになれば、確かに国内産業の発展と雇用の確保につながるといえるでしょう。
また、国産国消が進めば、企業はフランス国内で税金を払うことになります。そればかりでなく、被雇用者の失業保険等が必要なくなるため、様々な経済活動におけるメリットが生み出されると言えます。
●フランス人の選択
今日では、フランス人にとって、フランス製のものを選んで消費するということは、愛国心を持つということ、製品の質が保証されるということ、社会的・環境的規格を満たしていること、を意味します。
確かに、フランス製は価格が高めであると多くの人が思っているのですが、今のフランス人にとって値段はモノを買う時の最終的な決定要因となりません。彼らは、モノを買う時、“健康・環境・地域社会の発展”を考えるようになってきているということがアンケートの結果でも明らかになっています。
●Made in Franceの動向
フランス国内で製造しよう、というMade in Franceの動きは、2012年に始まりました。
社会党のフランソワ・オランドが大統領に当選したことにより、失業問題が深刻化していたフランスの社会的経済構造の再建の動きが始まりました。
その際、経済産業省がなくなり、経済省とは別に、生産性再建省という省庁が作られ、その大臣となったアルノー・モントブールがイニシアティブをとって進めたのがMade in Franceです。
昨日・今日は、シャンペンで有名なランスで、去年に続いて第二回の“フランスで製造する大会”が開催されています。これをオーガナイズしたのもアルノー・モントブールであります。
彼は、次回の有力大統領候補としても注目を集めています。
今年の大会では、来年の大統領選挙も視野に入れ、「大統領宮殿へ向かっての口頭試問」という目玉イベントが行われ、大統領候補あるいは代理がMade in Franceについて演説することになっています。
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