昨日から10月2日までの約二週間をかけて、食のイベントTous au restaurant 2016がフランス全国で開催されます。
このイベントのコンセプトは、とてもシンプルなもの。
それは、Votre invité est notre invité(あなたの招待はわたしたちの招待です)。
二週間のイベント開催期間中、参加するレストランでは、一つコースを頼むと、もう一つのコースが無料で楽しめます。
つまり、お客さんにとっては、二人組の場合いつもの半額で美味しいコース料理を楽しむことができます。
そして、レストランにとっては、イベント期間が客層を広げリピーターになってくれるファンを獲得するための絶好のチャンスとなっています。
ちなみに、コース内容は、レストラン側が各自決めることになっています。
2015年のTous au restaurantのイベントに参加して食事を楽しんだお客さんの数は、57万5000人でした。
今年は、フランス中の1000以上のレストランが参加することが決定しており、グルメのフランスでは話題となっています。
今年で7回目となるこのイベントは、フレンチの巨匠Alain Ducasseがイニシアティブをとっています。
彼が言うには、フレンチシェフの職業とは、共有すること、そして寛大であることと言います。
とにかく、みんなで一つのテーブルを囲み、誰でも楽しく美味しい食事とその時間を楽しむこと、これを演出するのがシェフの職業だということです。
「わたしたちの産業は、エリートだけのものではありません。」と彼は言っています。
こうした哲学から、Tous a resutaurantのイベントはスタートしました。
ですから、普段は敷居が高くて入りずらいレストランでも、いつもより手ごろな値段と雰囲気で、誰もが美味しい料理とその一時を大切な人と共に楽しめるようになっています。
フランスで開催されるイベントの面白い点は、どこか一か所でやるというよりも、同じテーマのものを全国で同時開催することが結構あるのです。そのため、町おこしや経済活性化に自ずとつながっていきます。
日本では、全国規模のイベントというと、例えば有名なB-1グランプリのように、全国のものが一か所に集まり、開催地はその年ごとで全国を巡るというスタイルで開催されることがほとんどです。
フランスのような全国同時開催の何よりの利点は、一極集中にならないためシネルジー効果で盛り上がること、そしてそれによってイベントの知名度があがり、知名度がアップに比例して参加者人数も多くなる点にあると言えます。
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