ビールの本場といえば?で必ず挙げられる国、ベルギー。
そのベルギーの北部に、“水の都”、“北のヴェニス”、と呼ばれる美しい古都 Bruggeブルッヘ/Brugesブリュージュがあります。
そのアイディアとは、ブルッヘの街の地下にビールのパイプラインを設置し、そのパイプラインを通してビールを各店舗に供給する、というものです。
彼らは、ブルッヘの中心街にビール工場を作るのが難しくなってきたため、郊外に工場を作ることにしたのですが、ビール瓶や樽を運送する代わりに、水道水と同じようにしてパイプラインを通じてビールを各店舗に配給するという計画を考えついたのでした。
この計画を市長に話したところ、市長は大いに喜んで賛成したということです。
なぜかというと、このブルッヘの街は中世に創られた都市で、ユネスコの世界遺産にも登録されており、多くの観光客が訪れるのですが、第一にビール会社がレストランやカフェといった各店舗にビールを配達するトラックが原因で起こる交通渋滞がひどいという現状があります。
さらに、中世の街であるため、コンクリートではなく石畳の街なのですが、その石畳がこのトラックのために破壊されていくという現象が起こっていました。
もしこのビールの地下パイプライン計画を実行すれば、計算によると、トラックが原因で起こるブルッヘの街の交通渋滞の85%は解消するということです。
このパイプライン設置の予算としては、約400万ユーロが必要でした。
そこで、400万ユーロのかなりの金額をクラウド・ファウンディングで呼びかけました。
多額の寄付をしてくれた人には、ビールを一日一杯一生飲ませるという条件もありました。
すると、ビール好きの400人が参加し、34万ユーロが集まりました。
これに加え、フランドル地方(ベルギー北部)は援助金を39万6000ユーロ出したということです。
こうして、郊外のビール工場からブルッヘの中心地、そして各店舗まで配管するのに約3キロメートルのパイプラインが設置されました。中には地下30Mの深さを通るものもあります。
これには、石油のパイプラインの難しい技術がつかわれていると言われています。
今月の9月16日から開始され、今のところスムーズに進んでいます。
実は、このビールのパイプラインによる配給という試みは世界で初めてではありません。
ドイツのサッカー競技場Shalke04と、フランスのブルターニュ地方で開催される有名な音楽祭Vieilles Charues の屋台で飲めるビールは、パイプラインで供給されているということです。
なんとなく長いパイプラインを通ってくるビールをイメージすると、美味しいビールが飲めるかなぁという気がしてしまうのですが、技術開発に加え、どんどん供給されるため、美味しさが保たれるのかもしれませんね。
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