全仏オープンテニスと大会運営


5月22日からスタートした全仏オープンテニス2016。


昨日、日本の錦織圭選手が3回戦突破し、16強入りを果たしたことで、日本中でも注目が集まっています。


全仏オープンは、テニスの4大国際大会・グランドスラムの一つです。

飛行士Roland-Garrosの功績を称えてその名が付けられた会場で試合が行われるため、Roland-Garros (ローラン・ギャロス)の愛称で呼ばれます。


グランドスラムの中でも唯一のクレーコートのため、番狂わせも多く、イレギュラーな展開を楽しめます。


そんな全仏オープンテニスは、公的援助金や税制上の優遇措置なしで、フランステニス連盟(FFT)とオフィシャルパートナーによってオーガナイズされています。


メインスポンサーがメガバンクBNP Paribasであり、その他FedEx、Lacoste、Longines、 Peugeot、 IBM 、Emirates、 ENGIE、 Perrierがオフィシャルパートナーとなっています。

彼らは、ローラン・ギャロスと契約することで、ローラン・ギャロスに関連したマーチャンダイジングや活動の権利を買うことになり、テニストーナメントとしては世界最大級のオーディエンスとメディアを集めるこの大会を通して、広告効果を最大限に発揮することができます。


パートナーに求められるのは、スポンサー料はもちろん、ローラン・ギャロスの威信を高め、“フランス式シック”を具現化すること。


FFTのスポンサー担当者Olivier Revandは、「我々は、我々の価値を守らないようなブランドと手を組むことを決して受け入れません。」と言っています。


同じ業界や分野とスポンサー契約しないという意味の排他的契約も結ばれています。

スポンサー契約の期間は大体3~5年間で、契約後は再度話し合いをし、継続されるケースがほとんどです。


こうして、ローラン・ギャロスを通じて出される毎年の総売り上げ高のうち、約30%はスポンサー契約料によってもたらされているといわれています。


ウィンブルドンの次に、あるいは匹敵するくらいの知名度のある全仏オープンテニスは、こうして毎年順調に運営されているように見えますが、国際競争は非常に激しいものがあります。

Master1000や他のトーナメント大会からグランド・スラム入りを目指している大会もあり、それを凌ぐ価値を発揮するために、常に創意工夫しています。


コート上でいかにスポンサーのブランド名や企業名を見やすくし、大会を通じて広告・宣伝効果を高めるか、その戦略にも力を注いでいます。


2018年には、こうした戦略も含めた検討の結果、ローラン・ギャロスは生まれ変わります。

11,16ヘクタールのスタジアムに、可動屋根が備わり、インフラを最新化するということです。


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