今週の水曜日の夜、パリ・ヴァンドーム広場であるイベントが開催されました。
みなさん、この画像を見て、どういったイベント名をみなさんなら付けますか?
このイベント、ヴァンドーム広場に人々が集まって何をしているかというと、ディナーを食べているのです。
タイトルは、『Dîner en blanc 白い夕食会』。
なぜ『白い夕食会』かといえば、ドレスコードもテーブルセッティングも白で統一されているからです。
コンセプトは、パリの最も美しい場所で夕食を≪amis≫(友人たち)と共に楽しむために集まろう、というものです。
このイベントは、今年で28回目となります。
1988年からスタートし、毎年開催されている結構歴史のあるイベントとなっています。
これまでに、シャンゼリゼ大通りや、コンコルド広場、ルーブル美術館のピラミッドの下、パレ・ロワイヤルの庭、文科省や国務院の前など、パリの観光名所で開催されてきました。
毎回、この開催場所は直前になるまで発表されず、パリ市内の美しい場所のどこかということで、お楽しみになっています。
開催当日は、各自が机、いす、銀器、ワイン、食べ物を持参します。
公共の場なので、数十分で一斉に準備をし、夕食を楽しみ、時間が来たらごみを持ち帰って速やかに帰宅するという軍隊並みの規律を守ることにより、毎年法や様々な規制を許可申請したりあるいは寛容の枠内ということでクリアーし、大規模な野外ピクニックを楽しめるようになっています。
それでいて、ドレスコードは白で、ある程度エレガントに食事をするのがこの『Dîner en blanc 白い夕食会』。
毎年評判のイベントで、その人気通り、今年は約7000人が参加しました。
市内の美しい場所で美味しい食事を共にすること、フランス式シックは守りながら多様な人々と交流を図ること、まったく知らない人同士がみんなで気持ちよく楽しむこと。
フランスが特別食事を大切にする文化であることはみなさんご存知だと思いますが、楽しみ、愛し、生きることと食事は融合しているのです。
『Dîner en blanc 白い夕食会』は毎年そんなフランスのエスプリを感じさせてくれるイベントとなっています。
このエスプリが今全世界に広がり、日本でも2015年からスタートしています。
食とカルチャーのイベントは世界各国で多く開催されていますが、背後に哲学があり、かつ楽しむことができる素晴らしいイベントであるといえましょう。
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