ーフランス伝統工芸のルーキーー
“Gainier doreur”というフランス伝統工芸をご存知だろうか?
美しい装飾を目的にする革細工のことである。
縫い目は見せないのが特徴で、美しい金箔加工も施すことが多い。
本、文具、家具、室内などの装飾や修繕が、ゲニエ職人の仕事である。
しかしながら大量生産の荒波にもまれ、現在ではフランス国内にわずか32のゲニエ工房が残るのみとなっている。
そんなゲニエ工房の一つを経営し、自身もゲニエ職人であるのがダヴィッド・ローゼンブリュームである。
彼の美しい作品には、フランス国内外からのオーダーが絶えない。
顧客は、個人からアーティスト、オートクチュール、美術館と多岐に渡る。
数々のオートクチュールや高級メゾンともコラボし、作品を発表し続けている。
彼の才能は、伝統的なゲニエ職人として磨いてきた技だけにとどまらない。
その美しいデザイン力は、ゲニエ職人としての彼の仕事の幅を広げ続けてきた。
工房の独自の開発により、最新技術で革製品の開発も進めている。
ダヴィッド・ローゼンブリュームは、ゲニエ職人の技術の保存に奔走を続ける。
彼は言う。
「明日の製品を創造することを可能にするために過去のノウハウを修得すること。職人は過去のためでなく、彼が生きる時代の証人としてあるべき存在だ。」
この哲学を背後に、実用的な製品でもあり芸術的なな作品でもあるゲニエの加工を施した美しい装飾作品で、ダヴィッド・ローゼンブリュームは今後ますます世界を舞台にゲニエというフランスの長い伝統を継承する工芸を牽引していくだろう。
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David Rosenblum ダヴィッド・ローゼンブリューム
【経歴】
1977年、パリに生まれる。幼い頃から、フランスの伝統工芸Gainier doreur (縫い目のない装飾目的の革細工)の工房であるBettenfeld-Rosenblum(ベッテンフェルド・ローゼンブリューム)工房で日々を過ごし、自然に革細工とその歴史に熱中する。同時に、絵画と彫刻に興味を示す。12歳で工房に正式に加入することが認められ、師匠でありメンターであり父であるBernard Rosenblumに、革細工、金箔加工、絵画、彫刻についての教えを受ける。1996年には、Gainier doreur の技術と伝統の歴史の知識を含め、見習い期間を終える。この時代には、工芸の職とその文化遺産の保護のために博物館や図書館での革における歴史の調査に参加する。その後、一度工房を出て、彼の父が手放した工房所有の機材のコレクションを集める一方で、新しい技術の修得に努める。
2007年、彼の父が他界したことをきっかけに、工房に戻る。2010年には、彼は元々工房のあったパリのTitonに新しい工房を構え、彼の時代のBettenfeld-Rosenblum工房がスタートした。
現在は、フランス全国で32の工房しかすでに残っていない伝統工芸Gainier doreur の職人として技術の保存に奔走する一方で、数々のオートクチュールや高級メゾンとコラボをして次々と新しい作品を制作。同時に、新しい技術で、革細工の幅を広げている。
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